発電量ナビ

発電量ナビ♪では原子力発電の発電量・割合・メリット・デメリットについて入門者向きにわかりやすく解説しております。

◆原子力発電の発電量・メリット・デメリットの解説(もくじ)

◆原子力発電とは?燃料はウラン235ペレット

 原子力エネルギーを利用する原子力発電は、原子核が核分裂を起こす際に発生する熱エネルギーを活用する発電の事じゃ。

 原子力エネルギーの燃料として使用されている物質はウラン元素の同位体である「ウラン235」と呼ばれる物質で自然界に存在するウランの約0.7%程度が原子力エネルギーに活用が可能なウラン235が含有されておる。

 原子力発電所で利用される核燃料は、このウラン235の濃度を核燃料用に約3~5%程度にまで凝縮させた燃料を利用しておるのじゃよ。

バイオ燃料とは?(図)

 このウラン235の濃度を凝縮した核燃料は円柱型に焼き固められ「燃料ペレット」として金属製の燃料被覆管に密封して使用される。

 密封された燃料被覆管内ではウラン235の核分裂が連続で発生(核分裂連鎖反応)し、莫大なエネルギーを産み出す事ができるという訳じゃ。

◆原子力発電の発電方法

 原子力発電による発電方法は、火力発電とまったく同じ原理で原子炉の核分裂によって発生した高温の蒸気を利用してタービン発電機を稼動させることで電気を産み出す仕組みとなっておる。

 火力発電では主に石炭等の化石燃料を利用しておるが原子力発電ではウラン235を焼き固めた燃料ペレットを使用し水を温めて発電機を回すための高温の蒸気を作り出しておる訳じゃ。

 その為、火力発電やバイオマス発電では燃料を燃やす際にCO2を確実に排出するが、原子力発電では核分裂の際に発生するエネルギーを活用しておる為、燃料を燃やす必要が一切ない。

 これは電力を産み出す際に二酸化炭素を排出しない事を意味しており、原子力発電の最大のポイントでもあると言えるじゃろう。

◆日本の原子力発電の割合

 日本の電力発電量の大半を占めるのは火力発電が主力であったが、化石資源が少ない島国である日本では燃料危機などに直面した経験を踏まえて原子力発電の発電割合を少しずつ高めてきた背景がある。

 これは国内の4分3もの高い割合にのぼる発電を火力発電に頼っていた1970年代を振り返ってみると年々、原子力発電による発電量割合が増加してきている事からもわかるのぉ。

 2011年の深刻な原発事故としてレベル7に位置づけられた福島原発事故の発生。

 この原発事故以降、活動中の原子力発電所は徐々に減少していったが原子力発電による発電量の割合は一時約30%にまで登った経緯がある事もまた事実なのじゃ。

 これは日本が原子力発電に大きく依存しておる証であるとも言えるのぉ。

 福島原発のメルトダウン事故以降は多くの発電所が一時的に運転の停止・閉鎖に至った経緯もあるが、日本はやはり原子力発電に大きく依存してしまう国家なのじゃな。

 尚、日本の原子力発電所の所在地と電力会社の一覧を以下にまとめておくのでチェックしておくことじゃ。

【日本の原子力発電所】
番号原子力発電所所在地電力会社・管理機関
01泊原発北海道泊村北海道電力
02大間原発青森県大間町電源開発
03東通原発青森県東通村東北電力・東京電力
04女川原発宮城県女川町東北電力
05浪江・小高原発福島県南相馬市東北電力
06福島第一原発福島県大熊町東京電力
07福島第二原発福島県双葉郡楢葉町東京電力
08柏崎刈羽原発新潟県柏崎市東京電力
09東海原発茨城県東海村日本原子力発電
10志賀原発石川県志賀市北陸電力
11浜岡原発静岡県御前崎市中部電力
12ふげん原発福井県敦賀市日本原子力研究開発機構
13敦賀原発福井県敦賀市日本原子力発電
14もんじゅ福井県敦賀市日本原子力研究開発機構
15美浜原発福井県美浜市関西電力
16大飯原発福井県大飯市関西電力
17高浜原発福井県高浜市関西電力
18島根原発島根県松江市中国電力
19上関原発山口県上関町中国電力
20伊方原発愛媛県伊方市四国電力
21玄海原発佐賀県玄海市九州電力
22川内原発鹿児島県薩摩川市九州電力

◆フランスの原子力発電量の割合

 現在、国内の原子力発電割合が最も高い割合を占めておる国はフランスじゃ。

 フランスは国内の総発電量の75%以上を原子力発電で発電しておる事からも原発への依存性は日本よりも更に高い国であることがわかるのぉ。

 フランスは原子力発電に関して政府が積極的に導入を進めてきた背景もあり、ここまでの原発割合を誇る国家となったのじゃ。

◆原子力発電の3大メリット

 原子力発電の利点は大きくまとめると3つのメリットを挙げることが出来るじゃろう。

 まず一つ目の原子力発電のメリットは、発電を行う際に二酸化炭素を排出しないという地球温暖化問題に大きく影響を及ぼす発電方法であるという点じゃ。

 多くの発電システムが二酸化炭素を発生させながら発電を行なっておる訳じゃが、原子力発電ではこのCO2排出問題を大きく改善する可能性を持つ発電方法となっておる。

 続いてエネルギー効率による利点は、ごく少量のウラン燃料で大量の電力を作り出すことができる燃料効率の高さを挙げることができる。

 原子力発電ではウラン235を代表とする核燃料の核分裂の際にとても大きなエネルギーを産み出すことが可能となるため、これは経済的にも効率が良い発電方法であると言えるじゃろう。

 そして、最後のメリットは使用済み燃料の再利用が可能となる点じゃ。

 原子力発電では一度使用したウランを再利用できるため、燃料としての経済性に優れているという点は見逃す事のできない大きな利点であると言えるじゃろう。

原子力発電の利点(図)

◆原子力発電のデメリットと問題点について

 原子力発電の最大の欠点・問題点は、事故が発生してしまった場合のリスクがあまりにも高いという点にある。

 二酸化炭素を排出しないなど、環境面に関しては大きなメリットばかりに見える原子力発電じゃが、現実的にはもし事故が発生してしまった場合の環境面に関するリスクは他の発電システムと比べ物にならないほどの大きなデメリットが存在することになる。

 また核燃料となるウラン235は限りある地下資源でもあることから、このままウラン235を使用していった場合は将来的にウランが枯渇する危険性を持っておる事になる。

原子力発電の欠点・問題点(図)